パリにて

パリでのテロが起きてから二週間が経ちました。沢山の方々から安否を気遣うメールを頂き、本当に有難うございました。金曜日の夜にテロが起き、翌日の土曜日のみ音楽院が閉鎖しましたが、それ以降は音楽院の入り口にガードマンが配置され、通常通り仕事場と家を往復する毎日です。

シャルリーエブド襲撃事件時もそうでしたが、今回もまたメトロや国鉄で不審物が見つかって駅が閉鎖になったり、それが本物なのか愉快犯なのかはわかりませんが、心に棘が刺さったまま暮らしている状態です。心配をして下さった方々がいたのにも関わず、なかなか状況をお伝えできず申し訳ありません。今はただ被害に遭われた方々とそのご家族を思うと言葉も出ず、事の重大さを感じては、淡々と毎日の生活を続けるのみありませんでした。そしてこの場をお借りして、被害者の方々のご冥福を心よりお祈り申し上げます。

世界中でこういった殺戮が、負のスパイラルのように続いていく事実を目の当たりにし、人間一人ではできる事など何もないように感じたここ数日。平和を祈り、音楽を通してその祈りを伝えていけたらと思っていても、それだけでいいのだろうかと自問自答していました。そんな中、ドイツメディアの「ドイチェ・ヴィレ」のダライ・ラマ14世への単独インタビューの一文が胸に刺さりました。

この問題をつくり出してしまったのは、我々人間なのに、いま私たちは、神様に解決を求めている。それでは筋が通りません。神様はきっとこう言うはずです。「自分で解決しなさい」と。なぜなら、始まりは私たち人間なのですから。tabi labo より http://tabi-labo.com/211746/dalaikamatoldparisterror/

単独インタビューを行ったドイチェヴィレの全文はこちらから。
http://www.dw.com/en/dalai-lama-on-paris-attacks-work-for-peace-and-dont-expect-help-from-god-and-governments/a-18852858

無知は罪なり、知は空虚なり、英知持つもの英雄なり というソクラテスの言葉がありますが、いまこの状態で英知を持つものは誰なのだろう。私はまず、知ることから始めたいと思っています。

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