ただいまとおかえり

先日沢山の思い出をスーツケースに詰め込んで、パリへ戻ってきました。二つの全く違うプログラムを10日間で5公演こなすという、フルート三昧の日本の夏。浦島たろ子の生活を終え、パリに戻ってきたらすっかり秋模様。今朝は朝7時の時点で気温13度と、足元がひんやりするので、うさぎとブランケットの中に呼び寄せほっこり。赤ぶどうとハイビスカスのハーブティーを飲みながら、この記事を書いています。


空港で両親に行ってきますと伝え、フランスにただいまと帰ってくる、この弧を描き続ける生活を不思議に思いつつ、物事は綿密な点でも線でもなく、いつもどこかで縁が緩く繋がっていく循環式なのだなと、その浮力や引力が原動力になって、弧を描いていくのかもしれないなと、しばらく暇な頭は考えるのです。この消化する時間があると、また一年頑張れる、そんな気がします。

さて日本での日々ですが、今回は公演がメインだったこともあり、リハーサルと酒の日々でございました・・・コンサートの一週間前からは禁酒をしていましたが、ただ大きいコンサート前はやっぱり集中力と焦燥感にかられて、お酒を飲む気分ではなくなるのですよね。(笑)いつまで経ってもその辺はびびりです。

まず第一公演目は7月31日、ピティナ本部の東音ホールで行われた公開録音コンサート。フランス6人組の作品をぎゅっと凝縮したプログラム。とりとめのないようなフランス近代の小品に息を吹き込む作業はとても楽しく、共演者ピアニストの筑波和音さんと、あーでもないこーでもないと頭を絞って作り上げて行きました。譜面台の向こうにはカメラ、横にはマイク、正面には観客の方々!という緊張感のある舞台。なかなかどっしりとしたプログラムだったので、エネルギーの分配が問われましたが、フランスのエスプリを少しでもお伝えする事が出来たのでしょうか?!



8月4日。昼夜二公演だったBelle Epoqueの横浜公演 at イギリス館。トリオの第一公演だった事もあって、みんな緊張気味で写真を撮り忘れ・・・休憩時間の肩もみタイムの仲良し写真を(笑)長年の友人同士だけあって楽屋はピリピリもせず、和気藹々。かつ馴れ合いもない相手なので、相乗効果大。またこのトリオで日本公演できたらいいなぁと皆で呟いております。イギリス館はお客様が入っても、音響がデッドにならず柔らかい音色をキープ出来ました。お客様もとっても暖かく、そして麻理子ちゃんのお母様ダ・カーポの榊原広子さんが司会をしてくださって事で、会場の雰囲気が曲ごとに盛り上がっていくのを感じました。トークの大切さをひしひしと感じつつ二日後には宇都宮公演へ。



8月6日は宇都宮文化会館小ホールにてベルエポックの第3公演。500人というキャパシティが室内楽で埋まるのだろうかと心配だったのですが、まさかの満員!そして掛け声が聞こえるようなとっても楽しいステージでした。この日は特別にダ・カーポのお二人が二曲も歌ってくださり、私も麻理子ちゃんも楽屋で「野に咲く花のように」を歌いながら後半の出番を待ったというとても特別な1日。裸の大将を知らなかった事にツッコミを受けつつも、、麗らかなダ・カーポの歌声とっても印象的でした。


ソロの多い前半は補色のドレス。


そして後半はピンク系で。

そしてベルエポック千秋楽の東京公演 atサロンテッセラ。近代的な響きがするこちらのサロンは以前にもお世話になったのですが、ピアノの状態が素晴らしい事!また音響がかなりシャープ。イギリス館とは対照的な響きだったので、その差を楽しみつつドキドキしつつの公演となりました。
前半最後のドリング。

後半はカエルカラーで!

目つぶってるなら暗譜すればよかったな・・・(笑)

終演後お疲れ様でしたー!

全公演にて本当に沢山の温かいお客様に囲まれ、無事5公演を終了する事が出来ました。この場をお借りして心より御礼申し上げます。また新しいプログラムを引っさげて、おぉ!一皮向けたな!と感じていただけるように修行を積んでまいりますので、今後ともどうぞ宜しくお願い致します。

パリより心をこめて
今井貴子


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