フランスの祝日

4月末から6月末にかけて音楽院が試験期間なので、先生方みなさんお疲れ気味。私も生徒の試験の追い込みと、そのピアノリハの付き添いで、通常よりも勤務時間が長くなりテンヤワンヤしています(笑)。幸い5月は休日が多く、本日は昇天祭。怒涛の毎日の中のオアシスのようです。家にいるなら構ってよね!と、どこまでもストーキングしてくるクルミに目尻を下げながら、今日は溜まっている事務仕事をこなしつつ、しっかり練習ができそう。



本日の昇天祭にしても、フランスの祝祭日はキリスト教の祝日や、歴史的なものが見え隠れして、未だに日々発見があります。先週5月8日はヨーロッパ戦勝記念日だったのですが、テレビでは第二次世界大戦のドキュメンタリー番組が沢山放映されていました。フランスはランスで1945年5月8日に調印されたドイツの降伏文書により終戦し、この時の自由を取り戻し、歓喜に溢れるフランス国民の様子はとても印象的。
そして、このブログでも度々紹介しているドキュメンタリー番組Arteでは、この終戦記念日に合わせたのか、スタジオジブリ制作の「ほたるの墓」が放映されていました。 まさかフランスで、この日にこの作品を観るとは思っていませんでしたが、鑑賞後にあまり話す事のない私の祖父母の戦時中の体験記、フランスの戦時中の様子などを話す事が出来て、良かったと思っています。

そして海外に住んでいると誰もが体験すると思いますが、自分から発する言葉が日本代表と受け取られる事があるので、歴史や時事情勢についてもっと知っておくべきだなぁとまた痛感いたしました。

さてさて話は戻り、フランスのキリスト教の祝日といえばお菓子!(ちがう・・・) なぜお菓子が出てくるのか、どういった風習なのかをちょっと探してみましたので、ご興味があったらどうぞ♪

 公現祭 Epiphanie  (休日ではない)

公現祭は1月6日または1月2日から8日の間の主日(日曜日)に、すべてのキリスト教会で行われる祝祭です。フランス語の 「épiphanie」の語源はギリシャ語の出現を意味する「epiphaneia」で、東方からイエスを礼拝するためにベツレヘムを訪れた三博士へのイ エスの「顕現」を祝います。19世紀以降、王様の日とも呼ばれるようになり、フェーヴとガレット・デ・ロワが東方三博士の供物の象徴となりました。

東方の三博士 
公現祭の儀式では、この日の3つの神秘があたかも一体かのように語られます。それは東方の三博士の礼拝、イエスの洗礼、(水がぶどう酒に変わっ た)カナの奇跡です。とはいえ今日では、「東方の三博士の祭典」と「ガレット・デ・ロワ」が、ほとんどすべての注目を集めます。7世紀から伝わる伝承によ れば、福音書が語る東方の三博士は実は王様だった、三賢王だったと言われます。メルキオール、ガスパール、バルタザールの3人です。この3という数字は極 めて象徴的です。何よりもまず3つの大陸(アジア、アフリカ、ヨーロッパ)を、さらにノアの3人の息子(セム、ハム、ヤペテ)、福音書に記された3つの贈 り物(黄金、乳香、没薬)を象徴します。

ガレット・デ・ロワ、フランスの伝統 
三賢王の祝日には、陶製の小さな人形「フェーヴ」が1つ隠されたケーキを切り分ける伝統があります。フランスには2種類のケーキがあります。フラ ンス北部では、冬の後に再来する光を象徴化した黄金色で平らな円形のパイで、中にはアーモンドクリームが詰まっています。南部から南東部にかけてのプロ ヴァンス地方では、砂糖漬けのフルーツが入った輪状のケーキやブリオッシュです。

2月2日 聖燭祭  Chandeleur (休日ではない)

聖燭祭(ろうそく祝別の日)は、イエス降誕40日後の神殿奉献を記念するキリスト教の祝日ですが、甘いものやクレープの日でもあり ます。また、ろうそくの祭りを意味するラテン語の表現「festa candelarum」に由来することから、何よりもまず光の祭典を指します。聖燭祭は毎年2月2日に行われます。

古代ローマ時代
ローマ人にとって2月は元来1年の最後の月、ラテン語で「februarius」、春の到来前の「清めの月」を意味しました。ローマ人は2月2日 に、豊穣と牧羊の神ルペルクスにちなんだルペルカリア祭を祝いました。人々はたいまつを振りながら大行列を組んで祭りに向かいました。


ローマ帝国がキリスト教になるころ
 5世紀の472年、ローマ教皇ゲラシウス1世が2月2日の異教のろうそく祭りを、イエスの神殿奉献の記念祭に改めることを決めました。とはいえ、 この祝祭が正式に聖母の清めの祝日と呼ばれるようになったのは1372年のことです。教会ではキリストが世界の光であることを想起させる祝別されたろうそ くが、たいまつに取って代わりました。


どうして聖燭祭にクレープを食べるの?

その昔、2月初めごろ、ローマに赴く巡礼者にクレープが振る舞われました。1年で冬の種まき作業がちょうど始まる時期でした。来るべき年の繁栄を 象徴するクレープを作るために余剰小麦粉が使われました。これについて、「炭のような小麦が嫌なら、聖燭祭にクレープをお食べ。左手で金貨を持ちながら、 右手で最初のクレープをひっくり返す」習慣があると言われます。

謝肉の火曜日 Mardi Gras 休日ではない)

謝肉の火曜日は多くのフランス人にとって、クレープの祭り、カーニバルの日となりました。とはいえ、この日は今でもキリスト教の伝統と結びついています。謝肉の火曜日は毎年同じ日付ではありません。しかしその名が示す通り、いつも火曜日です。この日は復活祭の日付を基点に、ちょうど47日前と定められています。というのもキリスト教の伝統では、その昔、謝肉の火曜日は四旬節に先立つ「肉食の」1週間の最終日で した。四旬節は復活祭まで「肉抜きの食事」をする断食期間です。謝肉の火曜日は肉や卵をはじめ、家庭内のすべての「動物性」食品を食べ尽くすため、棚を空 にして盛大に飲み食いする機会となりました。

揚げ菓子ベニエとクレープの日
謝肉の火曜日は、伝統的な庶民の美食が特徴です。定番のクレープのほかに、「ベニエ・ド・カルナヴァル」や「ビューニュ」なども作られます。これ らは古代ローマ時代からある揚げ菓子です。クレープやビューニュは卵と砂糖の予備を使い切れる上、断食期間前に栄養もつけられるので一挙両得です。今日で は何よりもまず、家族や友人と美食を共にする機会となっています。


フランスにおける今日のカーニバル

フランス語の「Carnaval」の語源はラテン語の「carne levare」で、肉を取り除くという意味、つまり四旬節の準備をするということです。四旬節の厳格な期間が訪れる前に、人生の心配事を陽気に忘れる伝統 的な娯楽の時として、謝肉の火曜日にカーニバルがフランス全国各地(ダンケルク、ショレ、ナント、シェルブール、ミュルーズ、シャロン=シュール=ソー ヌ、アルビなど)で開催されます。中でも特筆すべきは国内最大規模のニースのカーニバルで、花合戦や巨大な頭の張子人形、花で飾られた山車など、世界で最 も有名なカーニバルの一つです。

復活祭 Paques  *移動祝日

聖週間 
イエスのエルサレム入城を記念する「枝の主日」に始まり、聖餐と聖職が制定されたイエスの最後の晩餐を記念する「聖木曜日」、キリストの受難と十 字架上の死を記念する「聖金曜日」を経て、聖土曜日から(キリストが死に打ち勝つ)復活祭の日曜日にかけて「復活徹夜祭」で終わります。復活祭の日曜日 はキリストの復活の日です。この日は移動祝日で、年によって日付が3月22日から4月25日までの間で変動します。


復活祭の鐘 
教会の鐘は聖木曜日から聖土曜日まで、喪のしるしとして沈黙を守ります。復活徹夜祭の最後に、キリスト復活の喜びを知らせるカリヨンが奏でられ、 復活祭当日には高らかに打ち鳴らされます。言い伝えによると、鐘は吉報を知らせるためにローマから戻ると、子どもたちのためにチョコレートの卵を庭や野原 にまくのだそうです。

5月1日 メーデー Fete de travail

フランスでは1947年来、5月1日の労働祭は有給休日です。法定労働を禁止し、減給もありません。伝統的に労働組合のパレードが大都市で行われる一方、スズラン祭りのこの日には、幸運のお守りとしてスズランを1本贈る習慣があります。

5月8日 1945年5月8日戦勝記念日 victoire du 8 mai 1945

西ヨーロッパの第2次世界大戦終結記念日です。

昇天祭 Ascension *移動祝日

復活祭から5週目の木曜日、すなわち復活祭から40日後にあたる昇天祭は、フランスでは休日で、毎年キリスト教徒によってミサが行われます。

キリスト教徒にとって復活祭の延長線上にある祭事

 
聖金曜日に、イエス・キリストが十字架にかけられます。続く日曜日の復活祭の日に、イエスは復活します。復活祭から40日後の昇天の木曜日に、イエスは天に昇ります。昇天祭(ラテン語の「ascendere」は「~に向かって上る」の意)は、キリスト教の伝統では、復活から40日後、イエスが使徒に最後に姿を現すと同時に、地上の生活から離れることを示します。

聖霊降臨祭 Pentecôte *移動祝日

イエスの復活・昇天後、集まって祈っていた120人の信徒たちの上に、神からの聖霊が降ったという出来事のこと、およびその出来事を記念するキリスト教の祝祭日。

7月14日 Fete de national 14 juillet

1789年7月14日のバスティーユ奪取を記念する7月14日の国祭日(ナショナル・デー)。フランス国民に とって絶対王政の終わりと共和政の始まりを象徴します。

8月15日 聖母被昇天祭 L'assomption 

カトリックの祝日である聖母マリアの被昇天祭は8月15日に行われます。この祝祭は今日、フランスではクリスマス、昇天祭、諸聖人の日とともに4つのカトリックの祝日に数えられます。

11月1日  諸聖人の日 Toussaint

11月1日の諸聖人の日は、その名が示す通り、カトリック教会が崇める「すべての聖人」を祝福する日です。11月2日の死者の日とは異なります。とはいえ諸聖人の日が休日なので、この日に家族で菊の花を手に先祖の墓参りをする習慣があります。 

11月11日 1918年休戦記念日 Armistice du 11 novembre 1918

1918年11月11日休戦記念日は、ドイツ降伏と第1次世界大戦終結を記念する日です。11月11日は今では戦没兵士を追悼する日となりました。

クリスマス Noël

 毎年12月25日にイエス・キリストの降誕を祝うキリスト教の祝日となり、今日では世代を超えて家族で過ごす年に一度の楽しい一時となっています。
  
(引用は在日フランス大使館のHPより)

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