Patrick Gallois氏のマスタークラス

またまた過去日記になってしまいましたが、6月29日、30日、7月1日の三日間、私の母校であるオルネイ音楽院でガロワ先生のマスタークラスが行われました。それと共に、私も展示会等を時々手伝っているフルート専門店Aria musiqueが協賛で、アベル、シェリダン、ナガハラ、バーカート、ブランネンクーパー、マテキそしてマンケさんは制作者のTobias Manckeさんがいらしての展示会も一緒に行われ、内容の濃い三日間になりました。私も生徒として参加すると共に、スタンドお手伝いもしていたので、吹く頃にはヘロヘロになっていましたが、何度受けて刺激的な先生のレッスン!!これで最後なんだなぁとちょっと感慨深くなってしまいました。

マスタークラスのテーマは、先生の得意分野であるテレマンの12のファンタジー、そしてJ.Sバッハのソナタとパルティータで構成され、受講生は、私を含め内部生と外部の方(遠くはメキシコからいらしてました!)を合せて20名程度。これだけ受講生がいるとキャラクターも十人十色で、また年齢も幅広く、若い子の瑞々しい演奏から、密度の濃いオトナの演奏まで聞かせて頂きました。

こうやってまとめて聞いていると、プロと生徒の境目というのは、完成度ではなく、演奏が自ら創作したものと、型やアイディアにはめようとしているものの差にあるんだなぁと考えさせられました。これは、先生にこうしてみて、と提案されてそれを的確に表現出来る力ではなく、それをヒントにして自分のアイディアを広げられる力なのであって、創作力というものの難しさを知らされました。自由にとアドヴァイスされると、自由に聞こえそうな型を選ぶのだけど、そこには型があって・・。例は悪いですが、先生が「これはテキトーに吹いて。」というときお手本を見せる時、彼は本当にテキトーに吹きます。笑 

そして自分の創作したものに責任を持つ。自分が何をしているのか、何を届けたいのか、そして、受け取る側との間に起きるギャップ、温度差をいかにしてなくせるか、ここに尽きるんだ。と、このマスタークラスで先生が一番強く仰っていたように思います。「僕はマイクを通した時にどう録音されてるか、ちゃんと推測して演奏してる。そうでないと運試しで何度もテイクを取るなんて無理な話だからね。」と。皆さん、完成した時ではなく、練習で録音、録画をもっとして下さい。と呼びかけてらっしゃいました。こういったマスタークラスが毎年開催されて、もっと多くの人にパトリックの素晴らしさを知って頂けたら本望年です。

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