ご報告その2

時間が空くと、過去日記って書くの億劫になってしまいますね・・。特にめんどくさガールズなもので。。しかし、一応記録の為にも!

金曜日、試験二日目。この日は朝から音だしをして、12時半からW.F.Bach のフルートデュオ。私の硬派な爆音がエレーヌの繊細な柔らかい音を潰してしまうと言われたので、ファーストとセカンドの位置を交替。それでも爆音との事で一歩下がってみました。がしかし、それでもちょっと音がかぶりすぎるという意見を頂いたので、譜面台一個だったのを、二個にして対面して吹く事に。これで私の足部管がしっかりホールの奥に飛ぶので、エレーヌを潰す心配もなく。汗 実際ガロワクラスに入ってから音の作り方が変わって、かなり安定した硬派な響きになってきていたのと、フィリップの手によってフル装備してもらった私のブランネンのスポーツカー並の響きは、バロックフルートも吹くエレーヌの柔らかい響きを潰してしまいがちになっていたようです。。。

この曲は、クヴァンツやレオポルド・モーツァルト、CPEバッハ、やドゥヴィエンヌ、他にも声楽用のバロック時代のメトードを使って、バロックとも古典とも、前古典派とも言いづらい長男バッハの作品について、二人で話し合いを重ねたり、通奏低音を習っているチェンバロのレッスンを受けたり、モダンフルートなりのバロック奏法を自分たちなりに見つけていたので、試験本番もスムーズに曲本来のテクストを崩さずに演奏出来ました。翌日の面接の時に、このバロック奏法の事が取り上げられて、マニアな面接になったのは、また次回の報告にて。。

バッハが終わり、一度お昼を食べてから、今度はカーゲルのリハ。リハというよりはマジ練習で4時から7時くらいまで合せをしていました。というのも、空間が広くなると全くウクレレの音が聞こえなくなったり、花を投げても遠過ぎてサークルに入らなかったり、唸ってもなかなか聞こえなかったり、派手に頭を降ってるつもりでも全然見えなかったり。。といつものクラッシックな編成じゃないだけに、なかなか手間取りました。

そうして数時間経った頃、試験前日に就職の面接にいった先からお断りのお電話をご丁寧にもいただき(!)試験への緊張と、落胆で、ちょっとぐちゃっとした心理状態になりつつ、雷の鳴る中、まずはKarg-Elertのフルートソロ ソナタアパッショナータ。やっぱりソロを吹くときは舞台に魔物がいる。。とよく感じますが、アパッショナータが、最後のページになって、自分でもビックリするような暴れっぷり。こういう曲は、自分の心理状況がそのまま出てしまうから、演奏前にちょっとイライラしてるだけでも大暴れになってしまうんですね。特に私は気分に左右されてしまう所が大きいので。。。これだけは心残り。師匠が良く言っている、「ありのまま全てを受け入れるという事が、聴き手とコンタクトを取る唯一の方法だ。」というこの言葉をもっともっと出来たらいいなぁ。どう演奏したいか、どう聴かせたいか、というのを超えて、どう聞こえるか、自分の作り出すproductionではなく、利き手が受け取るdonéeをもっと意識して演奏が出来るように、もっと客観的に聞こえる耳を養わなくては。

ちょっと休憩をして、試験のトリのM.KagelのSerenade。メンバーみんな、壊れてましたね。あれは演技じゃなくて、素のいかれてる部分が、人間の持つ変な所が満載で、いきなりイライラして唸り出したり、ハイジのように純粋な顔をしてお花をかいだり、目をキラキラさせてプロポーズしたり。それを演奏しながらも、イライラしたり、喜んだり、表現していたので、メンバー全員友達には見せられても、親には絶対見せられないと豪語する出来でした。お陰で、試験なのにブラボーが飛び交い、翌日の面接でもカーゲルについては、ブラボーの一言ですね、とお褒めの言葉を頂き、これにて演奏の試験は全部終わり!この曲は、本当に機会を作って、いつか日本でも演奏したいなぁと思っています。

そして最後の面接に続く。。。

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