ノルウェイの森

先日、仲良しのお姉様から、こんなブログ記事を教えて頂きました。

村上春樹のノルウェイの森という題名は、ビートルズのNorwegian Woodから由来しているのにも関わらず、woodを森と訳すのは、誤訳ではないか?という疑問。詳しくは下のリンクをクリックして下さい。

ノルウェイの森の誤訳問題について

フランス語では La ballade de l'impossible-Norwegian Wood-と副題がついています。これもまた微妙なニュアンス・・

時々、私も音楽関係の記事等の翻訳を頼まれる事があるのですが、直訳でも通じるけれど、ニュアンスが合ないなぁとか、もっと詩的な表現の方が、この文章にあってるなぁと思う事が多々あります。

楽曲の題名においては、本当によくある話で、例えば、ジャズのスタンダードナンバーの枯葉も、原題はLes Feuilles Mortes(枯葉)ですが、英語の題名はAutumn Leaves(秋葉)。枯れ葉だとDead leavesだから歌の題名としては美しくない・・。

以前、ボードレールの「悪の華」の翻訳を堀口大学のものと、澁澤龍彦のもので読み比べをした事があるのですが、これがびっくりする程違いました。もし、ボードレールが日本語を読めたら、驚愕するだろうなぁ、、どちらを好むんだろうなぁ、、と思ったのを覚えています。それから、外国の文学を読むときは、翻訳者に気をつけているのですが、詩集などは、読み比べすると本当に面白い。言語で読むと、韻やリズムが分かるからもっと面白い。

小説を映画化する時の誤差や、音楽家が、解釈の異なる演奏するのもそうですが、翻訳も人によって選ぶ言葉が全く違ってくるのは当然だろうし、小説ベースの映画や演奏も解釈とはいえ、見る人聴く人によって、感じ方も様々でしょうけど、翻訳はそれらよりも具象的な解釈になるから、とても難しいもの。村上氏の森の話は、それが翻訳の美学とも言えるんじゃないかなぁ。

ビートルズのNorwegian Woodからインスピレーションを得たけれど、自分の作品をノルウェイの家具とか、ノルウェイの木という題名だとしっくり来なかっただけなんじゃ・・とも思えるけれど。。

ちなみに話が蛇行してしまいますが、クラシックな世界では、文学とアートはとても親密な関係にあって、お互いインスピレーションを得て、元のキャラクターが少し変わりながらも、同じ人物が色々な作品に登場する事があります。ギリシャ神話にも沢山あるし、ゲーテのファウストもその一つ。

しかし、上記のリンクに書いてある、ジョージ・ハリソンの元マネージャーが語った、ジョン・レノンが、Knowing She Wouldを語呂合わせでNorwegian Woodに変えちゃった。という話もすごく素敵!真偽はともかく、ジョン・レノンならそういう事思いつきそうと誰もが思えるジョンが素敵です。

という事で、翻訳関係でもう一つ。こちらで今度、市川海老蔵主演の「一命」が公開されるのですがその題名はHARAKIRI (はらきり)です。

ランス人も切腹好きね・・・これは、誤訳というよりは、一命よりもパンチがあっていい!売れる!って事ですね。。。ちなみに、私の友人に、日本の死刑は切腹だと思っていた子がいて、たまげました。


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