フランスのバカンス

そろそろ夏休みも終わり。あまりに休み過ぎて仕事に戻るのが恐いくらいです。

フランスは大企業でも、交替で3~4週間程夏休みが取れるそうで、担当の銀行の人も一ヶ月お休みだったり、楽譜屋さんも、楽譜屋さんも、ショコラティエも、カフェもレストランも、8月一杯休みなんです。子供に関しては、7、8月と二ヶ月間夏休み。元々、週4日しか学校ないのに、こんなに休んで学力低下しないのかと心配になりますが・・・


私にとって打撃だったのは、マルシェ。7月中は週二回行っていた朝市なのに、8月になった瞬間に、魚屋さん、肉屋さん、お惣菜屋さん、乾物屋さん、が一気にバカンスでお休み。いつも活気がある市場も、二、三件の八百屋さんとチーズ屋さんのみ。我が家は、週の半分は魚料理で、後の半分は野菜とお肉という配分なので、魚が買えないのは、相当な痛手でしたー。スーパーのお魚は、鮮度が落ちているのに、値段は高め、そしてチョイスが少ないので、断念。たまーに鮮度が良さそうな白身魚を買ってきてフライにするか、スモークサーモンをマリネにしたりしてⅠヶ月間しのぎました。そろそろ、胃が魚の煮付けを欲しがってます。

これからまた就職活動をしつつ、個人の生徒さんのレッスンが始まります。お昼に一杯飲んでうたた寝~という生活は終わりだけど、ちゃきちゃき動いている方が性にあってるみたいで、ちょっとワクワクしてます。コンサートの準備や、新しいプログラムの練習、生徒さんの学習計画等、やっぱりプロジェクトがあると楽しいですね!

次のコンサートでは、Debussyのビリティスの歌を取り入れたいなぁと思っているので、Debussyがインスピレーションを得たピエール・ルイスの詩集「ビリティスの歌 chansons de bilitis」 を言語で読んでいます。言語で読み終わったら日本語訳のものも読んで、解釈の差を楽しむのも良いかと思ってます。いつもはフランス文学でも日本語で読むのが常なのですが、(フランス語で読むと「感じる」前に「理解しようとする」からか、なかなか頭に入って来ないのです、、)詩集は韻を踏んでいたり、微妙なリズムがあるので、なるべく言語で読むようにしています。

この詩集は、ピエール・ルイスが、紀元前のギリシャで生まれた女性の詩集を発見して自分が翻訳した、と偽って発表したもので、女性の細やかな心理描写やロマンティシズム、エロティシズムが描かれています。これにインスピレーションを得たドビュッシーが、3編の詩を取り上げて、歌曲「ビリティスの3つの歌」を作曲し、その後、12編の詩を取り上げて、詩とパントマイムと音楽のための付随音楽を作曲しています。この付随音楽を2台ピアノ版にドビュッシー自身が書き直したものが、「6つの古代碑銘」。それをフルートとピアノ版に編曲されたものが、フルーティストがよく演奏する「ビリティスの歌」です。なかなか紆余曲折があるんですね。。。

演奏をする前に、その曲をアナリーゼしてみる、そして作曲家の意図やメッセージを読み取り、その題材になった物語を読んでみる、そして筆者について調べてみる、他の著書も読みあさって、人物を想像してみたり、交友関係、思想、時代背景を調べてみる。こういうプロセスを辿ってくると、文学そして歴史や文明の発達がどれだけ音楽に関わってきたのかが、ありありと見えて来て楽しいですね!

しかし、こうやって音楽家はオタクでインドアになるんだなぁ。。。

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