子供と魔法

パリと言えばオペラ座!という事で2月の上旬にフランスを訪れた高校の友人とガルニエ宮へ行って来ました。




演目は、はツェムリンスキー:オペラ「小人」とラヴェル作の幻想的オペラ「子供と魔法」。
 
ツェムリンスキーは初めて聞く作曲家だったのですが、調べてみるとウィーン出身で東欧とユダヤの血を引く作曲家で、ブラームスの後継者とよばれ、シェーンベルグの義理の兄。また恋に落ちたアルマ・シントラーとは、周りから釣り合わないと反対を受け、その後間もなくアルマはマーラーと結婚。その上、アルマはツェムリンスキーが醜かったと公言していたとの事。

そんな彼が作った「小人」、どんなお話かといいますと…
こびとが野原で遊んでいると、スペイン王家の廷臣たちに捕われ、王女の12歳の誕生日のプレゼントとして、おもちゃ代わりにスペイン宮廷に連れて行かれる。こびとは姫君にきれいな衣裳を着せられ、得意になって踊って見せるが、かなしいかな、周りが自分の不恰好さを嗤っていることに気付かない。そのうち自分が姫君に愛されているとすら信じ込む始末である。だが姫君の姿を捜して王宮に迷い込むうち、自分の真似をする醜い化け物の姿を見つけ出す。そしてついにそれが姿見であり、自分の真の姿を映し出しているという現実を悟るや、そのまま悶死してしまう。それを見て王女はこう吐き捨てる。「今度おもちゃを持ってくるなら、命(心)なんか無いのにしてね。」(Wikipediaより参照)

悲しいんですよ…。これオスカー・ワイルダーの童話が原作らしいのですが、童話なのに夢がない。こちら小人。後ろにいるのは小人の人形を操る歌手の方。登場した時は、一人二役の腹話術なのかと思って、会場もざわっとしたのですが(笑)彼は黒子の様な存在で小人の人形を操って声担当でした。こんなの初めて。変わりまして二枚目は、心の無いお姫様。こういうの金髪の美女が演じるとほんとに説得力があります。


鏡で自分の姿を見て驚愕する小人、それに対してお姫様は、そうよ、あんたは醜い小人といい放つシーンは本当にかわいそうで…。そのまま小人は悶死するんです。今まで見たオペラの中である意味一番悲劇かもしれません…。音楽はあんまりピンと来なかったのですが、このオペラのコンセプトはすごくパンチがありました。


そして後半はラヴェルの子供と魔法。
宿題をしてない事を母に怒られて、癇癪を起こして部屋をめちゃくちゃにした男の子に対して、大きな時計や、壊されたコーヒーカップ、破り捨てられた本が仕返しにくるというファンタジーなオペラ!隅から隅までがウィットに富んでいて、こういうセンスの良さはやっぱりフランス人なんだよなぁ。音楽も本当にキラキラしていてもう言う事なし!!あまりに夢中になって見ていたので写真がとれませんでした…。笑 一枚だけ撮れたのは、発情する猫役の男女。どうしてこのシーンが…。オペラが苦手な方にも、フランス音楽が大好きな方にも是非是非見て頂きたい作品でした☆

$パリとうさぎとフルートと


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