泡泡

といってもビールではありません。ここで泡風呂という発想が出てこないのが残念な感じですが、先日とびきりロマンチックな映画を観ました。愛するミッシェル・ゴンドリー監督の¨L'ecume des jours¨。邦題では「ムードインディゴ うたかたの日々」というそうです。原作はフランスの作家ボリス・ヴィアンの同名小説によるもの。

ヴィアンの作品は読んだ事がなかったのですが、友人に聞くと「いやーヴィアンの世界には着いて行けない。。。」とか「それ君が苦手なSFだよ?」とか「世界最高の恋愛小説!」なんて言われて、世界最高のSF恋愛小説…アルマゲドン?のようにしか想像出来なかったのですが、映画好きの人は「あれを映画化するなんてゴンドリーも攻めるなぁ」なんていう一言も聞けて、ずーっと気になっていました。

恋に落ちた二人が愛し合って結婚し、全てが順風満帆だと思われた矢先、妻のクロエの胸の中に睡蓮の蕾が出来て…。という普通で考えたらえ?うん?という内容なのですが、これにゴンドリー監督が彼のマジックにかけておりました。恋愛睡眠のすすめやエターナルサンシャインでもそうだったように、彼の描く四次元の世界は架空や偽物ではなく、実際頭の中で起こっているような、子供の頃はずっと持っていたような、純粋なファンタジーがそこにあって、映像やスケールを押し出すのではなく、あるはずがない事が当然に起きる夢の中にずっといられる、そんな世界観を持っている気がします。

そこに言わずと知れたオドレイ・トトゥ、ロマン・デュリスを主演迎え、周りを固める俳優陣もフランスで大人気のコメディアン、ガッド・エルマレ(シャルロット・カシラギの婚約者でもある!)と、「最強の二人」で俳優の才能を見せつけたコメディアンのオマール・シー(彼のSAVのコントは最高!)と彩り豊か。ゴンドリー監督作品はいつも個性の強い人たちが沢山いて、フランスの色とりどりのブーケのよう。誰でも主役をはれて、誰でも脇役にも回れるそんな俳優さん達。なんていい配役なんだろう。

観ての感想は切なすぎてぼーぜん。固まってしまいました。なんだろう…フランス人の楽天的にも思えるバラ色の人生!!という幸福感と、その裏にある退廃的な人間の黒い部分、冷たい部分人間の孤独その両方を魅せてもらったそんな気がします。温度がと共に映像の彩度も変わり、観ているこちらの体温も変わるような、細部まで美しくて、痛々しいのも美しくて、アメリカ映画のハッピーエンド!大悲劇!ではなく、淡々と切ない。そんな映画。またもや大好きな映画が増えてしまいました!!ファンタジー好きには堪りませぬ、ゴンドリー監督最高!!




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