世代交替

先週の代講先のクラスで、高校生の生徒さんから、どんなに練習しても試験でうまく行かない…。と相談を受けました。レッスンを聞く限り、音ものびのびとしているし、細部まで本当に良く練習してあるのです。たった一回のレッスンでは、その子がどんな性格なのか把握しきれないのですが、話を聞いていると、緊張して何を吹いているのか分からなくなってしまうとの事。

思春期を越して自我が出て来ると、「緊張」は避けては通れない道…。自分の生徒ではない事もあって、当日、朝から気負わない事や、会場で緊張する！！とお友達とワイワイ騒がないことや、吹く前に息を吐ききる事など、本番までなるべくニュートラルな状態でいれるようにね。としか、アドバイス出来なかったのですが、ちょっとは助けになったかなぁ。

気持ちの準備を練習するには、本番を重ねて、自分なりに自身の状態を把握するしかないのだろうなぁ。私も沢山失敗をして、少しずつコントロール出来るようになったようにも思います。といっても、未だに緊張しない本番なんて何一つないですが。

その相談を受けた当日、偶然お世話になっている先生からお電話を頂き、６月にパリ区立の音楽院での審査員をする事になりました（フランスの音楽院では、卒業試験は外部の審査員でなければいけないのです。）

私でいいんですか？！と思いながら、「喜んでー！」と口が先に返答しておりました。笑　審査される側だったときは、審査員恐いなぁ、目が合うのやだなぁ…なんて思っていましたが、立場が変わってみると、きっと見える事が変わってくるでしょうね。生徒全員がしっかり練習しておいてくれる事を祈って…。誠心誠意審査させて頂きたいと思います！