生徒の発表会

昨夜、かねてから用意をしていたプロジェクトの演奏会が行われました。テーマは日本の四季を子供達に知ってもらうために、俳句からインスピレーションを得た音楽を使い、俳句をテーマにした現代曲の合唱、日本の童謡の合唱、童謡を楽器で演奏、俳句を子供達に作ってもらいそこから即興演奏等、バラエティに富んだ内容にしました。

プロジェクトを組み立てて行く上で大変だったのは、まず知り合いが少ないフランスの土地で、協力してくれる学校や音楽院をまわり、興味を持ってくれる先生たちを探す事。そして、そこの学長から了承を得る事。この時点で6月~10月末までかかりました。一度OKをもらった学校からキャンセルの通知が9月に来た時には、呆然としましたが、代講をしていた学校の先生や、音楽院で教えている友達にソルフェージュの先生を紹介してもらって、ようやくこの郊外の学校で了解を頂けたのです。


そこからは、ディジョン→パリの単身赴任のような生活の傍ら、プロジェクトの練習の為に週二回この音楽院に教えに行っていたのでとてもスケジュールの厳しい毎日でした。しかし、プロジェクトを一緒に行ったお友達も日本人の子だったので、俳句についても、日本文化についても、協力してやる事が出来、とても助かりました。なるべく多くの写真を見せて、子供たちに日本の四季を知ってもらい、俳句を分かりやすく説明する。これにはなかなかの時間がかかったし、現代音楽や即興演奏にあまり触れた事があまりない子供達に、どうやって難しさを伝えずに楽しんでもらえるか。ここに重点をおいて、各セッションにおいて、先生と生徒という隔たりなく、一緒になって演奏してみました。

この企画は、ディプロムの一貫だったので、生徒達たちの出来の他にも、審査員に(私の研修所の副学長)採点されるという焦りもあり、昨日を迎えるまではらはらしてばかり。しかし、何よりも10歳という元気な盛りの年頃、そして思春期を目の前にして内向的にもなりやすい年頃。この子たちにどうやってやる気になってもらえるのか、どうやって楽しんでもらえるのか、そこが一番の課題でした。点数はいつも後からやって来るというのが我が家の家訓ですので、出来る事を精一杯すれば、結果はついて来るだろうし、何より、子供たちに得るものがあるプロジェクトにしたい、その思いが強かったです。そして、何よりも室内楽以上の人数を教えるのは、至難の技なのです。。。大きい声ではっきりと、ある程度厳しく、でも怒らない。という三原則を自分の中で決めておきましたが。なかなか難しいものです。

しかし本番を見て、彼らの予想以上の柔軟さ、吸収力に驚かされ、恥ずかしがっていた子たちも、まっすぐに観客をみて歌い、そのスケールの大きさに、本当にやってきて良かったと思わされました。子供の可能性は未知のもの。ちゃんと見ていてあげたら、どんどん伸びるんだろうなぁ。どうやってそれを潰さないで伸ばしてあげるか、それはオトナの再重大課題ですね。彼らはおうちに帰って、お父さんお母さんたちに沢山褒めてもらえた事でしょう!

とりあえず、ほっと一息で、帰って美味しいビールを頂きました。
今日から、また音楽院の研修に集中しないと!

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