進路相談

毎日秋晴れ!今年は夏日が少なくて残念な感じがあったので、クリーニングに出す前に一回は着てやる。という変な意地も出つつ、ここぞとばかりに夏服を着ています。

夏休みが明けてから、友達と会う機会が多いのですが、みんなから、会うの二年ぶりだねー!と言われる事が多く、この2年間、パリとディジョンの往復に追われて、宿題に追われて、誰とも会ってなかったんだなぁと改めて感じました。どんどん外出しようではありませんか!

そういえども勿論仕事もあるわけで…最近は真面目に進路の相談等も受けます。これは、友人の間で度々話題になっているのですが、「音楽高校への進学について」の話。実際、こういった特殊な学科に対しての情報が少ないので、中学校では進路相談も難しいですよね。私自身も、高校受験をする際に、一般高校の受験にはアドバイスを頂きましたが、音楽科に対しては、そちらでお願いしますね、と言われただけで、とても心細かったのを覚えています。何が良い、悪いという事ではなく、経験者として、それが一体どういったものなのか、ちょっとお話したいと思います。

音高時代からの友人の間で、みんなの意見が一致したのは、高校に入るまでは、音楽の事を理解し合える友人がいなくて、すごく孤独だったので、高校に入って同じ境遇のマニアな仲間、ライバルが出来てとても刺激になった。という事です。私もその一人ですが、音楽高校に入るには、音大同様、実技、副科ピアノ、聴音、新曲試唱、楽典と実技科目の試験があるので、(一般教科も一応ありますが。笑)それに備えて準備をしなくてはいけません。ソルフェージュ科目は、学校によって傾向が違うので、受験する高校によって対策をかえなければいけませんし、実技試験も中学生には、なかなか難しい課題曲が出ます。私の年はうる覚えですが、ユーのファンタジー、エネスコのカンタービレとプレスト、フォーレのファンタジー等、フレンチコンポーザーの作品でした。

小学生の間は時間があるからともかく、中学生が用意するとなると、学校の授業プラス、週1~2回の実技のレッスン、副科ピアノのレッスン、聴音と楽典のレッスンと少なくても週三回は音楽関係のレッスン、その合間に練習をするという感じになります。

私の場合は、公立の中学校だったので、部活動は必修。元々は運動部にいたのですが、練習時間が確保出来ないので、進路を決め次第、吹奏楽部に編入して、そこで練習させてもらっていました。それでも練習時間が足りず、途中で通っていた塾も止めて、夏期講習や冬期講習のみ行く事に。発表会、コンクールの前は、練習が足りないという脅迫観念で、胃が痛くなったり、学校を休んでも練習したい(してたかも)と思う程でした。実際考えてみると、そういう生徒の為の帰宅部はあってもよかったのでは・・と思う程です。

そうすると、同じ境遇の友達を見つけるのはなかなか難しい。もっと友達と遊びたい反面、練習もあるし、バッハがさ~なんて、聴音のかい離が苦手でさ~なんて話せる友達はまず出来ないですよね。それが、高校に入ってしまうと、みんな同じ境遇なんです。例えば、ピアノ科の友人に愛調盤のCDを貸して欲しいとお願いすると、リヒテルのCDが、ヴァイオリンの友人にお願いすると、オイストラフのCDが出てくる訳です。笑

高校のカリキュラムの半分は音楽教科なので、ソルフェージュも、音楽史も理論も、オーケストラも吹奏楽も全て授業の中に入っているし、授業は大体15時くらいには終わって、そのあとは練習か、大学へレッスンを受けに行く。そんな毎日でした。音楽を学ぶ事にストレスを感じなくて済む。音楽がメインで勉強出来る。周りと音楽の話が出来る。これは、多感な時期にとても大切な事だったと思います。そして、音楽教科は大学の一流の講師陣が教鞭をとっているので、キャラクターの濃い先生ばかり。ちなみに、高校勤務の先生方も、かなりキャラクターが濃い先生ばかりです。

実技レッスンは、勿論大学の教授から受けられます。私は、フルートを植村泰一先生に、アンサンブルを中野真理先生に見て頂いていたのですが、本当に本当にお世話になりました。今更ながら、もっと練習して行けば良かったと申し訳ない思いで一杯です。。。いうなれば、音楽高校は、ベースである一般教科を学びながら、音楽大学と同じような勉強ができる場所といった感じです。

こう聞いていると、いい所ばかりな気がしますが、その代わり、逃げ場がありません。これが一番恐い事かと思います。なので、生徒さんに薦められるかどうかと言えば、この音楽を学ぶ上でのプラスな面と、本当に逃げ場がないんだよという現実的な面の両方を伝えるしかないのかなぁと。私がお世話になった先生方が心配して下さったように、応援して下さったように、あとは、本当に本人の覚悟なのかと思っています。

私自身は、決心というほどしっかりしたものはなかったと思いますが、勉強もスポーツも大好きだったけれど、職業で考えた時に、フルートかな?と思ったのは覚えてます。他の事は趣味でも出来るし、一生通しては続かないと思う、と子供なりに考えた結果でした。一般的に考えたら、そこの選択は違うのかもしれませんが・・続けるのは自分自身ですからね、今でも後悔はしていません。それと、私を支えてくれたのは、ある意味、我が家の楽天的な考えたもあるかと思います。

吉報寝て待て、急がば回れ、大器晩成。

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